七ぶらシネマ 第2回
単身赴任先・鹿児島思う−恵まれた静岡の映画環境
前回、鹿児島県に単身赴任していると書いた。より詳しく書けば、 大隅半島の鹿屋市へ、となるのだが、大隅半島に映画館はゼロ。映 画を見ようと思ったら、バスに乗り、フェリーに乗り継ぎ、さらに バスと、二時間以上かけて鹿児島市へ行かなくてはならない。当然、 帰りにも同じだけかかり、そりゃ疲れます。 七間町に住んでいた時と比べれば、一本見るのに、時間で三本分 以上、お金も三本分近くが必要で、いくら映画好きとはいえ、足が 遠のいてしまう。(約十年ぶりにレンタルビデオ屋さんの会員に なった)。それでも、何度かは鹿児島市にかよい、そこで、改めて 静岡市の映画環境の良さを感じるようになった。 旅先で映画を見るのが趣味、という奇特な人は別として、通常、 映画は地元でしか見ないので、ふたつの町で映画を見るという境遇 にでもならない限り、他の町との比較はあまり意識されないが、静 岡の映画環境の素晴らしさは、もっと認識されて良いと思う。 例えば、オリオン座。幅の広い階段を上がりチケットを切っても らうと、ゆったりとしたロビー。広い場内はほど良いスロープを持 ち、スクリーンはドでかい。音響も抜群で、東京の超一流劇場と比 べても決して遜色のない造りである。現に、東京の友人で、せっか く静岡に来たのだからと言って、この劇場の映画を見ていく者がい る。 他の映画館もおしなべて大きいし(鹿児島のいちばん大きな映画 館も、静岡では、五、六番目にしかならないだろう)、設備も良い。 そのうえ、七間町ではなく駅前にだが、サールナートホールという 全国的に見ても特筆すべき上映活動をしている場所がある。映画 ファンにとって、静岡は天国、とまでは言えないとしても、それに 近い場所ではある。 静岡と比較されたことが不幸なだけで、鹿児島も地方としては恵 まれた映画環境を持っているし、奇特ではないフツーの人でも旅先 で見るイベント映像では、大いに気をはいている。鹿児島市立科学 館では、巨大なドーム全体に映像が写し出されるオムニマックス方 式で、「スペシャル・エフェクト」という作品が上映されていて、 「スター・ウォーズ」の冒頭の、巨大宇宙戦艦が通りすぎるシーン には、思わずのけ反った。さらには、本土を離れた屋久島。そこで は、ダイナビジョンという超大形映像が、世界遺産に選ばれた屋久 島の大自然を写し出している。 こちらは、静岡の方が見習う必要がある。
七ぶらシネマの目次へ